衝動
小さい頃から音楽が好きだった。特に中学生でL'Arc~en~Cielにハマったのを皮切りに、いろんな音楽を聞いてきた。
実は、その時からミュージシャンを同じ人間として見てなかった。人間を超越した存在だと思っていた。
特にラルクがファンによって神格化されていたのも影響していると思う。「僕とは違う特別な存在だからあんなすごい音楽が作れるんだ」と本気で思っていた。
それ以降好きになるミュージシャンも大抵同じ目線で見ていた。だから、彼らを褒めるときにいう「天才だ」という表現が全然ピンとこなかった。天才って人間に使う言葉だもの。神様には言わない。
しかし、大学生でライブに足を運ぶようになって、次第にこの考えが崩れてきた。ライブで直接目にするミュージシャンは紛れもない人間だった。姿形は身の回りにいる人と相違なかった。もちろんたまにはミスもするし、MCでは「昨日食べたプリンが美味しかった」だの「休日はトイ・ストーリーを見ている」だの話している。
そんな僕と変わらない人間なのに、だ。彼らの音楽・ライブはやはり素晴らしい。
「なんてことだ。人間だったのか。」
この考えを決定づけた出来事が最近あった。 友達が作ったアルバムが本当に素晴らしかったのだ。
Twitterで音楽好きを公言していると僕と同じように音楽好きな「人間」と繋がることがよくある。こうして知り合った友達が、自作のアルバムをストリーミング配信したことを教えてくれた。
その時点でもう驚きなのだが、曲を聴いて絶句した。
それからというもの、これまでの曲を聴いても全く異なる印象を持つようになった。本当に、心からミュージシャンのすごさを実感するようになった。
「こんなことを僕と同じ人間がやってるなんて!!」
今では毎日感動しっぱなしである。音楽だけでなく、ラジオ、テレビ、映画、写真、服など見たり聞いたり着たりするたびに、それに携わるクリエイターに感動と尊敬の念を抱かずにはいられない 。
最近、世界が一段と面白くなってきた。みんなすんげぇな。
僕も頑張るよ。ありがとう、音楽をくれた友達。